top of page

エキゾチック動物

「エキゾチック動物」は「野生動物」のおしゃれな呼び名にすぎません。これらの動物は固有の生息環境の中で生き残るために適応してきました。そのために特有のニーズがあります。例えば、温度、湿度、自生植物などです。肉食動物と雑食動物の場合は他の動物を食料源とすることを意味します。地形、季節変化など様々な要素があります。

野生動物の全てのニーズを満たすことは不可能です。例えば、直射日光を十分に浴びることや自然環境の中で手に入る種類豊富な食料などです。そして野生の環境下でしかない広々としたスペースと自由は当然ながら人間が与えられるものではありません。

ペットの全てのニーズを満たすことができないことは、ネグレクトであり、虐待であり、非人道的です。エキゾチック動物を扱っているペットショップでは、かわいい動物がケージの中で閉じ込められていますが、それに惑わされてはいけません。野生動物の多くは、たとえ上手く躾けられていたり、赤ちゃんの時に懐いてたとしても、攻撃的になったり縄張り行動をしたりします。

エキゾチック動物は野生動物です。野生動物は生き残るために適応してきた野生の中で生きることが必要です。

ペットとして人気なエキゾチック動物たち

Meerkat

ミーアキャット

 後ろ足で立つ姿が愛らしく、人気の高い小型哺乳類です。ミーアキャットは非常に社会的な動物で、アフリカ最南端の砂漠や草原で群れで生息しています。コンドミニアムのような複雑な巣穴を掘って暮らしています。中には、地下3層、長さ5メートルほどのものもあります。穴を掘る習性があり、様々な昆虫、甲虫、蠍、毒蜘蛛を掘って食べます。それ以外にも様々な果物、鳥、卵、植物を食べます。しかし飼育下では多くの場合、鳥ムネ肉やキャットフード、ミルワームしか与えられません。

 野生では、夜は巣穴の中で寝て日中のほどんどの時間は日差しを浴びています。ペット状態だと、日光を浴びることが著しく減ってしまします。

Bird Portrait
Blue Bird

オウム

 美しい羽根とお喋り能力を持ち、ペットとして人気な種です。野生では、大きな群れで暮らす非常に社会的な動物です。暖かく湿った場所に生息し、果物やナッツ類を直接木から食べます。よく食べ方が下手だと言われますが、それは野生の習性によるものです。食べられないものは地面に落とせばいいからです。しかし、家では飼い主が困る原因の一つです。

 好物は甘い果実と脂質の多いナッツですが、糖質と脂質を摂取しすぎると肥満になり、脂肪肝の原因になります。ペットとして飼うときは、様々な色の野菜を主として与え、栄養素を十分に摂取するのと同時に肥満にならないように気を付けなければなりません。なぜなら、自然界では一日約24キロも飛行しますが、飼育下ではそれほどカロリーを消費しません。

 また、非常に社会的な動物であるため、起きている間はずっと群れと一緒に行動します。そのため孤独を感じやすく、飼育下では愛情をたっぷり注いであげないといけません。孤独を感じないよう、もう一羽飼うことで問題が解決するとは限りません。たとえ2羽が仲良くできたとしても、オウムはとても長生きする鳥なので、仲間が一羽だけでは十分からほど遠い状態です。社会的交流が不足すると攻撃的になり、力強い嘴であらゆるもの、家の壁やドア枠、家具、カーペットなどを齧ります。

 飼育下のオウムは、ケージの中にほぼ一日中閉じ込められていることがよくありますが、それによってオウムはうつ状態になり、毛引き症などの自傷行為に発展してしまします。同居の鳥と仲良くなれないと状況はより深刻です。狭い部屋の中で、嫌いな人と一生閉じ込められることを想像して下さい……

Langur

霊長類

 人間に近いことがサルの人気の理由の一つです。霊長類は地球上に広く分布し、山から草原、森林、平野まで生息しています。中でもサルはもっとも社会的な動物で、数百匹からなる群れで暮らしています。エネルギッシュで、一日中木を登り、木から木へ飛び移って活動しています。複数のパートナーと、多いときは一日50回も交尾します(中には一夫一妻制の種もいます)。ケージ飼いすること、一匹飼いすること、または専用の部屋で多頭飼いする場合でも、抑圧された膨大な活力を発散することができず、すぐにストレスとなり攻撃的になりがちです。

 エキゾチック動物が好きな方へ:購入して所有するのではなく、自然保護団体などに寄付または活動に参加することが本来のあるべき姿です。絶滅危惧種の繁殖、病気やケガをした動物の救助・リリースを行う繁殖保護活動団体に寄付することをおすすめします。

bottom of page